解体工事は、建物や構造物を取り壊す作業のことを指します。しかし、解体工事は単に建物を壊すだけではなく、その過程でさまざまな付帯工事が伴います。今回は、解体工事における付帯工事についてご紹介します。

付帯工事とは

 付帯工事は、解体する建物本体以外のものを撤去する工事のことです。建物本体以外のものの工事はすべて付帯工事となります。

具体的には、ブロック塀の解体、庭木、庭石、井戸、池、物置、門戸・フェンス、残置物、駐車場施工等が付帯工事にあたります。解体工事はあくまでも建物本体の解体であり、これらの撤去は含まれていません。そのため、これらを撤去したい場合は、解体工事とは別に付帯工事という形で解体業者に依頼することになります。

付帯工事費は別途必要

 付帯工事は解体工事とは別のため、一般的に、解体業者から提示される解体工事の見積もりには付帯工事の費用は含まれていません。そのため、解体工事を依頼する際は、解体費用のみならず付帯工事費用も忘れずに確認することが重要です。 

付帯工事にかかる費用は、解体業者によって見積もり方法が異なります。基本的には、廃棄物処理費と人件費ですが、作業範囲や危険度、使用する重機の種類によっても料金が変動します。

したがって、解体工事を依頼する際は、複数の解体業者から見積もりを取り、付帯工事の金額も検討に入れることが大事です。

付帯工事の種類と費用の目安

付帯工事の費用は解体業者によって異なりますが、相場を算出すると、1坪あたり50,000円から60,000円とされています。建物本体の解体費用は、1坪あたり25,000円から40,000円とされているので付帯工事がある場合は付帯工事がない場合と比べ2倍ほど費用がかかることになります。

それでは下記で付帯工事の種類と費用の目安についてみていきましょう。

ブロック塀の解体

ブロック塀の撤去にかかる費用相場は、1㎡あたり2,000円から3,000円とされています。壁を壊した後に出た廃棄物の処分費用が含まれない場合もあるため、事前に確認が必要です。 

庭木の撤去

庭木の撤去にかかる費用相場は、地面から上の部分のみを伐採する場合は110,000円から、地下の根まで除去する伐根もおこなう場合は、150,000円程かかるとされています。このように木の本数や幹の太さ、除去の方法により価格が変動します。

庭石の撤去

庭石の撤去にかかる費用相場は、1 tにつき10,000円とされています。

井戸や池の埋め戻し

井戸や池の埋め戻しにかかる費用相場は、一式30,000円から50,000円とされています。井戸の埋め戻しにはお祓いを伴うことがほとんどですが、これも費用の中に含まれていることが多いです。

物置の撤去

物置の撤去にかかる費用相場は、普遍的なサイズの物置で20,000円から30,000円とされています。物置の撤去の場合は面積あたりではなく、1個あたりという個数に応じた計算方式になることが多いです。

門戸・フェンスの撤去

門戸・フェンスの撤去にかかる費用相場は、一式20,000円とされています。地表面から上で良いのか、コンクリートの基礎ブロックごと撤去するのか等、切断地点や本体の材質等により価格が変動します。

残置物の撤去

残置物の撤去にかかる費用相場は、1㎡あたり8,000円から10,000円とされています。時間や手間はかかりますが、室内の家具や家電をはじめとした残置物の撤去は解体業者に頼まなくても自分で行うことができるため、費用を抑えたい場合は早めに室内の残置物の整理を始めることをおすすめします。

駐車場施工

解体工事後、更地にするのではなく駐車場として活用する場合、この駐車場施工も付帯工事の一つとなります。仕上げ方法は、砕石・アスファルト・コンクリートの中から仕上げ方を選ぶことになります。費用は砕石が一番安価でアスファルト・コンクリートとなると費用が高くなります。

また、駐車場を整備するには運搬費や廃棄物処分の費用も必要となりますが、これらの費用は施工費に含まれているケースが多いですが、すべての解体業者がこの方法をとっているとは限らないため注意が必要です。

500万円以上の付帯工事

付帯工事においては、基本的に専門の技術者は必要ありませんが、500万円以上の費用がかかる工事を行う場合、施工方法は以下の2通りになります。

①自社で主任技術者または監理技術者を配置し施工する

②付帯工事を専門とする他の業者に発注して依頼する

自社に主任技術者または監理技術者がいない場合は付帯工事の建設許可を受けた建設業者に下請を出す必要があります。

解体工事の付帯工事費用を抑えるための業者選定のポイント

 付帯工事の費用を抑えるためには、適切な解体業者の選定が非常に重要です。解体業者選定における主要なポイントを以下でみていきましょう。

複数の解体業者からの見積もりをとる

複数の解体業者から見積もりを取得し、費用や工事内容を詳細に比較します。見積もりの内訳を確認し、どの項目にどれだけの費用がかかるのかを把握することで、費用対効果を検討できます。

また、相見積もりを取ることで、業者間の価格競争が生まれ、最適な価格で契約できる可能性が高まります。そして複数の見積もりを比較することで、業者の価格設定の理由や工事内容の違いを理解しやすくなります。

業者の信頼性と実績

解体業者の過去の実績を確認し、同様の工事をどの程度経験しているかをチェックします。実績のある業者は、工事の品質やスムーズな進行を期待できます。他にもインターネット上の口コミサイトや業者のホームページに掲載されているお客様の声を確認します。実際にその業者を利用した人の評価を参考にすることで、業者の信頼性を把握できます。

コミュニケーション能力

見積もり依頼や問い合わせに対する業者の対応を観察します。迅速かつ丁寧に対応する業者はコミュニケーション能力が高く、信頼できる可能性が高いです。また、工事内容や費用について相談しやすい業者を選びます。疑問点や不安点を丁寧に説明してくれる業者はトラブル発生時にも迅速に対応してくれるでしょう。

契約条件の確認

契約書の内容を詳細に確認し、不明点や不利な条件がないかをチェックします。特に追加費用の発生や工期の変更についての規定は重要です。さらに、工事後の保証内容も確認しましょう。保証期間や対応範囲を把握することで、工事後に問題が発生した場合の対応を事前に確認できます。

コストパフォーマンスの高い業者を選ぶ

見積もり金額が相場に比べて極端に高いまたは低い場合は注意が必要です。極端に安い見積りは、後から追加費用が発生するリスクがあるため、内容を慎重に確認します。また、見積もりの内容だけではなく、提供されるサービスの質も評価します。例えば、現場管理の有無やアフターサービスの内容を確認し、コストパフォーマンスの高い業者を選びます。

付帯工事の費用を抑えるためには適切な業者選定が不可欠です。これらのポイントをしっかりと確認し、慎重に業者を選定することで、付帯工事の費用を効果的に抑えることができます。

最後に

解体工事における付帯工事は、ご紹介したとおり、解体工事とは別物と考える必要があります。複数の業者から見積もりを取って依頼する業者を選ぶことで費用を抑えることができます。また、付帯工事が本当に必要かどうかの判断も大切です。例えば、家具や家電など残置物は自分たちで自治体の粗大ごみ回収業者に依頼して撤去すると付帯工事費用を抑えることができます。解体工事はもちろんのこと、付帯工事も希望通りしてくれる解体業者を探しましょう。

株式会社エコ・テックの解体工事について

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