解体業を始める前には、建設業許可または解体工事業登録を行う必要があります。解体工事業登録をしていれば、建設業許可がなくても解体工事は可能となります。しかし、建築物や工作物を解体または解体を含む建設工事の請負金額が500万円(税込)以上を施工する場合は、建設業許可が必要となります。建設業許可は建設業法、解体工事業登録は建設リサイクル法に基づく許認可です。
解体工事業登録に関する資格一覧
①1級建築士
1級建築士とは、国土交通大臣から認可を受けた国家資格です。1級建築士は、1級というだけあり、建築できる建造物に制限がなく、取り扱える建築物の規模が大きいため、2級建築士と比べて設計業務の内容も高度かつ多岐に渡ります。設計業務は「構造設計」「設備設計」「意匠設計」の3つに分けられます。
②2級建築士
2級建築士とは、建築基準法によって定められた、都道府県知事より認可された国家資格です。この資格を取得すると、建築のプロとして認められ、戸建住宅などの建築物の設計や工事管理などを請け負うことができるようになります。ただし、建物の構造や高さ、面積により、建築できる建造物に制限があります。2級建築士の仕事内容は主に「設計業務」と「工事管理業務」の2つです。
③1級建設機械施工技士
建設機械施工管理技術検定試験は、建設工事の機械化施工に従事する技術者の技術の向上を図ることを目的とし建設業法第27条第1項に基づき国土交通大臣指定機関が実施する国家試験です。各種建設機械を用いた施工(トラクター系建設機械操作施工法、ショベル系建設機械操作施工法、モーターグレーダー操作施工法、締固め建設機械操作施工法、舗装用建設機械操作施工法、基礎工事用建設機械操作施工法、建設機械組合せ施工法)における指導や監督的業務を行うことができます。
④2級建設機械施行技士
2級は第1種から第6種に分かれそれぞれの機械を用いた施工において、運転・施工の業務に携わり、各機種の運転技術者、また一般建設業の現場の主任技術者として施工管理を行うことができます。
第1種 ブルドーザー(トラクター系建設機械操作施工法)
第2種 油圧ショベル(ショベル系建設機械操作施工法)
第3種 モーターグレーダー(モータ・グレーダー操作施工法)
第4種 ロードローラー(締固め建設機械操作施工法)
第5種 アスファルトフィニッシャ(舗装用建設機械操作施工法)
第6種 アースオーガー(基礎工事用建設機械操作施工法)
⑤1級土木施工管理技士
土木施工管理技士は、国土交通省管轄の国家資格のうちの1つです。1級土木施工管理技士は河川、道路、橋梁、港湾、鉄道、上下水道、などの土木工事において、主任技術者または、監理技術者として施工計画を作成し、現場における工程管理、安全管理など工事施工に必要な技術上の管理などを行うことができます。
⑥2級土木施工管理技士
2級土木施工管理技士は土木、鋼構造物塗装、薬液注入に分かれ、それぞれの種で河川、道路、橋梁、港湾、鉄道、上下水道などの土木工事において、主任技術者として施工計画を作成し、現場における工程管理、安全管理など工事施工に必要な技術上の管理などを行うことができます。
⑦1級建築施行管理技士
建築施工管理技士技術検定制度は、建設業法第27条に基づき、国土交通大臣指定機関が実施する国家試験です。1級建築施工管理技士の資格を取得すると、特定建設業の「営業所ごとに置く専任の技術者」及び現場に配置する「監理技術者」として認められます。
⑧2級建築施行管理技士
2級建築施工管理技士の資格であれば、一般建設業の許可を受ける際に必要な「営業所ごとに配置する専任の技術者」及び「建設工事における主任技術者」として認められる等、施工管理に携わる方には必要不可欠な資格です。
⑨1級とび・とび工
とび技能士は、鳶作業の段取りから仮設建設物の組み立てと解体、掘削、土止めなど、鳶職の仕事全般に関する技能を認定する国家資格です。技能検定に合格すると1級は厚生労働大臣名の合格証書が交付され、技能士を称することができます。
⑩2級とび・とび工
2級は各都道府県知事名の合格証書が交付され、技能士を称することができます。
⑪解体工事施工技士
解体工事施工技士は、国土交通省管轄の国家資格で、500万円以下の解体工事を行うための解体工事業の登録及び施工に必要な技術管理者になることができます。
解体工事の技術資格一覧
①車両系建設機械(整地・運搬・積込及び掘削)の運転
機体質量3t以上の車両系建設機械(整地等)の運転作業に従事する方は、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了しなければならないことが義務づけられています。
②車両系建設機械(解体用)の運転
機体質量3t以上の車両系建設機械(解体用)の運転作業に従事する方は、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了しなければならないことが義務づけられています。
③職長・安全衛生責任者教育
労働安全衛生法第60条で、新たに職務に就く職長、又は作業を直接指揮・監督する方は、安全又は衛生のための教育を受講することが義務付けられています。
④クレーン運転業務特別教育
クレーン等安全規則第21条により、事業者は、つり上げ荷重5トン未満のクレーンまたはつり上げ荷重5トン以上の跨線テルハの運転業務に就かせる労働者に対し、特別教育の実施が義務付けられています。
⑤ガス溶接技能講習
労働安全衛生法により、ガス溶接技能講習修了の資格がなければ、可燃性ガス及び酸素を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱の業務に従事することができないとされています。(労働安全衛生法第61条、同施行令第20条第10号、別表第18第28号)鋼材などを切断するだけの場合でも、ガス溶接技能講習の修了証が必要でとなります。
⑥玉掛け技能講習
つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリック、揚貨装置による玉掛作業に従事するには「玉掛け技能講習」を修了することが必要となります。
⑦コンクリート造の工作物の解体等作業主任者講習
労働安全衛生法により、高さが5m以上コンクリート造の工作物の解体作業等を行う場合はコンクリート造の工作物の解体等作業主任者を配置しなければならないとされています。コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習を修了した者でなければ、コンクリート造の工作物の解体等作業主任者の業務を行う事が出来ません。
⑧特定化学物質等作業主任者技能講習
「特定化学物質作業主任者」は、作業に従事する労働者が特定化学物質により汚染され、またはこれらを吸入しないように、作業の方法を決定して労働者を指揮することができます。また、局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置、排ガス処理装置、排液処理装置その他労働者が健康障害を受けることを予防するための装置の点検を行い、保護具の使用状況を監視する等の職務を行う責任者です。
⑨木造建築物の組立て等作業主任者講習
木造建築物の組立て等作業主任者は、労働安全衛生法に定められた作業主任者(国家資格)のひとつであり、木造建築物の組立て等作業主任者技能講習を修了した者の中から事業者により選任されます。軒の高さが5m以上の木造建築物の構造部分の組立て、屋根下地や外壁下地の取り付けなどにおいて、安全面などの監督・指導にあたる責任者となります。
⑩建築物等鉄骨の組立て等作業主任者技能講習
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、労働安全衛生法に定められた作業主任者(国家資格)のひとつであり、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習を修了した者の中から事業者により選任されます。建築物の骨組み又は塔であって、高さが5m以上である金属製の部材により構成されるものの組立て、解体又は変更の作業を行う場合において労働災害の防止などを行います。
⑪足場の組立て等作業主任者技能講習
ゴンドラのつり足場を除くつり足場、張出し足場又は高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業を行うには、事業主は足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者を作業主任者として選任し、その者の指揮のもとに作業を行わせなければならないとされています。
⑫アスベスト建築物の解体・改修工事における石綿障害の予防特別教育
アスベスト等が使用されている建築物、工作物または船舶の解体等の作業(石綿則第4条)を行う際、アスベストによるばく露により肺がんなどの重度な健康障害を引き起こす危険性があることから作業を行う従事者には、特別教育(安衛則第36条37号)の修了者を就かせることが事業者に義務付けられています。