目次:
アスベスト調査の都道府県の補助金(奈良編)について

1.アスベストに関する国の補助金の対象について

アスベストに関する国の補助金につきましては、

https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について)

こちらの記事で以前記載しております。

アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている東京都の補助金について、説明いたします。 

※本コラムは、202427日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。

2.アスベスト調査に関する都道府県の補助金(奈良県)

吹付けアスベストは、劣化や損傷によりその繊維が飛散し、それを吸入することにより健康被害を生ずるおそれがあります。

このため建築基準法が改正され、平成18年10月から新規に建築物を建てる際にアスベストの使用が禁止され、増改築時(一定規模以下は除く)にも既存部分のアスベストを除去等しなければならなくなります。

「アスベスト」が含有されている場合は、早急に除去・封じ込め等の対策を行いましょう。

対策工事の種類

除去処理

 除去とは、吹付けアスベストを全部除去して、他の非アスベスト建材に代替する方法をいいます。この方法は吹付けアスベストからの発じん防止の方法として効果的であり、損傷、劣化の程度の高いもの(脱落・繊維の垂れ下がりが多いもの等)、基層材との接着力が低下しているもの(吹き付け層が浮き上がっているもの等)、振動や漏水のあるところに使われているもの等は、完全に除去することが必要です。

封じ込め処理

 封じ込めとは、吹付けアスベストの表面に固化剤を吹き付けることにより塗膜を形成する(塗膜性封じ込め処理=表面固化形)、吹付けアスベストの内部に固化剤を浸透させ、アスベスト繊維の結合力を強化する(浸透性封じ込め処理=浸透固化形)ことにより吹き付けアスベストからの発じんを防止する方法をいいます。

囲い込み

 囲い込みとは、アスベストが吹き付けられている天井、壁等を非アスベスト建材で覆うことにより、アスベスト粉じんを室内等に発散させないようにする方法をいいます。

工事にあたっての留意事項

増改築時には、対策工事が必要です。

○除去工事の前に大気汚染防止法による届出が必要です。

○除去は専門の業者に依頼してください。

○「労働安全衛生法」「石綿障害予防規則」「大気汚染防止法」「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」「建設リサイクル法」等に留意してください。  

労働安全衛生法・石綿障害予防法(概要)

○ 事業者は、その労働者を就労させる建築物に吹き付けられた石綿の粉じんの発散により、暴露するおそれがあるときは、吹き付け石綿の除去等の措置を講じなければなりません。

○ 建物等を解体、改修の工事を発注する場合は、直接工事を行う事業者にその労働者への石綿暴露を防止するための措置を講ずることを義務付け、発注者も石綿含有建材の情報提供や石綿による健康障害防止のための措置を講じることを妨げない(解体方法、費用等に配慮)ようにしなければなりません。

大気汚染防止法・同施行令・同施行規則(概要)

○ 建築物の解体等によって生じる石綿の飛散を防ぐために、規模・構造に関係なく、解体事業者は作業の場所、作業期間、作業方法などを都道府県知事へ届け出ることが必要です。

○ 解体作業にあたっては、吹き付け石綿を除去する場所を隔離したり、集じん・排気装置を設置したりするなど、作業基準を遵守することが求められます。

3.奈良県建築物アスベスト分析調査助成(奈良市)

奈良市では、大気汚染防止法の改正に基づき、建築物等の解体や改修工事において石綿(アスベスト)の飛散防止対策が強化されています。この改正は、石綿含有建材の使用範囲拡大、作業基準の適用拡大、事前調査の信頼性向上、報告義務の設定などを含んでいます​​。奈良市でアスベストに関する工事を行う際には、これらの改正内容を遵守し、必要な手続きを行うことが必要です。
また、令和265日に、建築物等の解体等工事における石綿(アスベスト)の排出等の抑制を図るため、「大気汚染防止法の一部を改正する法律」(令和2年法律第39号。以下、「改正法」という。)が公布されました。

規制対象の拡大                                                             

特定建築材料                        

これまで、特定建築材料は「吹付け石綿(いわゆるレベル1建材)」、「石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材(いわゆるレベル2建材)」と規定されていましたが、範囲が拡大され「石綿含有成形版等(いわゆるレベル3建材」を含むすべての石綿含有建材に変更されました。

作業基準

「石綿含有成形版等(いわゆるレベル3建材)」について、新たに作業基準が規定されました。

作業基準遵守等の対象

作業基準を遵守しなければならない者及び作業基準適合命令等の対象となる者に、下請負人が加えられました。

事前調査の信頼性の確保 

事前調査方法の法定化 

すべての解体等工事について、設計図書その他の書面による調査及び特定建築材料の有無の目視による調査を行い、その上で特定建築材料の有無が不明の場合は分析による調査を行うことが義務付けられました。ただし特定建築材料有りとみなして作業基準を遵守する場合は、分析調査は不要です。

有資格者による事前調査(令和5101日施行)

解体等工事の元請業者又は自主施工者は、建築物の解体等工事に係る事前調査において書面による調査及び目視による調査は、「一定の知見を有する者」に行わせることが義務付けされました。「一定の知見を有する者」は以下のとおりです。

・建築物石綿含有建材調査者講習を終了した者(一戸建て等石綿含有建材調査者は、一戸建て住宅等に限る

・義務付け適用前に一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録された者                                     

事前調査結果の奈良市への報告(令和441日施行)

一定規模以上の解体等工事(奈良市内の工事)の元請業者又は自主施工者は、事前調査を行ったときは、遅延なく、当該調査の結果を奈良市へ報告することが義務付けられました。

※報告対象工事の要件

・床面積802以上の建築物の解体工事

・請負代金の合計が100万円以上の建築物の改造・補修工事

・請負代金の合計が100万円以上の工作物(環境大臣が定めるものに限る)の解体・改造・補修工事

4.奈良県建築物アスベスト除去等助成(御所市)

御所市は、アスベスト等による被害の未然防止を目的として、民間建築物のアスベスト等使用実態を把握し、又その早急な除去等の推進を図るため、民間建築物の吹付けアスベスト等分析調査に係る事業に要する費用について、予算の範囲内において補助金を交付するものとし、その交付に関しては、御所市補助金交付規則に定めるところによります。

対象となる物件

民間の建築物で、アスベスト含有の可能性のある吹付材(レベル1、レベル2)が施工されているもの

補助対象者

・市内に存する補助対象建築物の所有者等(共有の建築物にあっては、共有者全員の合意による代表者)

・補助対象建築物のアスベスト等分析調査を行う者

補助対象額

アスベスト等分析調査の千円未満を切り捨てた必要経費(1棟あたり上限25万円)

募集期間

令和6229()まで
アスベスト等分析調査を実施する前に事前の申請が必要です。

5.まとめ

アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。

自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、202241日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。

これは東京都だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。

株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について

株式会社エコ・テックでは、事前調査からアスベスト除去工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京、名古屋、大阪、岡山、福岡など)で無料相談、無料見積もりを実施しておりますので、土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。