解体工事は、建物の取り壊しや改修を行う際欠かせないプロセスです。しかし、建物内にはさまざまなライフラインが通っており、これらを適切に撤去することが重要です。今回は解体工事におけるライフラインの撤去についてご紹介します。

ライフラインとは

ライフラインとは生活に欠かせない水道、ガス、電気、通信などのインフラ設備のことを指します。これらのライフラインは建物内を通っており、解体工事の際には安全かつ効率的に撤去する必要があります。

これらのライフラインは、都市や地域のインフラストラクチャーとして整備され、安定した生活や経済活動を支える役割を果たしています。解体工事においては作業中の安全性や周囲への影響を考慮して行われます。

解体工事の際に撤去をしなければならないライフラインは、

・ガス

・電気

・水道

・電話

・インターネット回線

・浄化槽

が挙げられます。

ライフラインの撤去の重要性

 ライフラインの撤去は解体工事において非常に重要なプロセスです。その重要性を以下の点に分けて詳しく説明します。 

①安全確保

ライフラインは、建物や施設の機能を支える重要な要素であり、これらが残ったまま解体工事を行うと、事故や災害のリスクが高まります。例えば、電気やガスが残っている状態で解体作業を行うと、火災や爆発の危険性があります。水道管が破損すると大規模な水漏れが発生し、周囲の建物や地域に被害をもたらす可能性があります。これらのリスクを回避するためにもライフラインの撤去は不可欠です。

②作業効率の向上

ライフラインが撤去されていない状態では、解体作業が制限されることがあります。例えば、電気やガスの供給が続いている場合、それらの設備や配管が作業エリアを占領し、作業効率を低下させる可能性があります。ライフラインを事前に撤去することで、解体工事がスムーズに進行し、計画通りのスケジュールで完了することができます。

周囲への影響の最小化

ライフラインの撤去は、周囲の建物や地域に与える影響を最小限に抑えるためにも重要です。特に、水道やガスなどの漏れが周囲に影響を与える可能性がある場合、これらのライフラインを早期に撤去することで、被害の拡大を防ぐことができます。また、通信ラインの撤去も、周囲のインフラやサービスへの影響を考慮して行われる必要があります。 

以上のようにライフラインの撤去は解体工事において安全性や効率性を確保するために不可欠な作業といえます。

ライフラインの撤去作業

ライフラインの撤去作業は、以下の手順で行われます。

①計画

まず、解体対象となる建物や施設内のライフラインを確認し、撤去すべきライフラインを特定します。これには、建物の図面や現地調査を行い、水道管、ガス管、電気配線、通信ラインなどの位置や状態を把握します。その後、撤去作業の計画を立てます。作業範囲や時間帯、安全対策などを考慮し、作業の流れを決定します。

②切断と閉鎖

撤去するライフラインを切断し、供給を停止します。電気やガス、水道などのライフラインは専門の作業者が行います。また、撤去作業が行われるエリアや周囲の建物に対して、必要ならば通知し、閉鎖作業を行います。これにより周囲への影響を最小限に抑えます。 

③安全確認

ライフラインが完全に撤去されたことを確認します。特に電気やガスなどの高リスクなライフラインについては、専門家による安全確認を行います。これにより作業エリアの安全性を確保し、事故や災害を防止します。 

④撤去処理

撤去されたライフラインは適切に処理されます。リサイクル可能な部品は再利用され、廃棄物は適切に処分されます。これにより環境への負担を最小限に抑え、資源の有効活用を図ります。

以上の手順でライフラインの撤去作業が行われます。

解体工事前のガスの撤去の連絡について

ガスは火災や爆発の危険性が高いため、慎重な取り扱いが求められます。解体工事前に必ずガス会社へ連絡しなくてはなりません。ガスの供給方法は大きく分けて、

①プロパンガス

②集中プロパン

③都市ガス

この3つに分かれます。プロパンガスは、個別プロパンとも呼ばれており、各家庭にボンベを設置してガスを供給していく方法をとっています。このボンベにガス会社への問い合わせ先が記載されています。

集中プロパンは、アパートやマンション、また工場のような事業者向けに供給されています。ボンベが一箇所に貯蔵されています。その貯蔵されているボンベからガスを供給している方法をとっているので、プロパンガスと同様、このボンベにガス会社への問い合わせ先が記載されています。

都市ガスはプロパンガスや集中プロパンのようなボンベがなく、道路の下に通ったガス管から供給しているため、ガスの開栓時に渡された契約書に記載されたガス会社を確認し問い合わせる必要があります。

ガス会社に連絡する際は、ガス管の撤去まで必要なのにそれがされなかったなどの大きなトラブルを防ぐために、供給停止だけでなく、「解体工事のための撤去作業」と伝えなければなりません。また、ガス停止の際は依頼者の立ち合いが必要となります。余裕を持ってガス会社へ撤去の連絡をしましょう。

解体工事前の電気の撤去の連絡について

感電や漏電など大きな事故に繋がる危険性が高いため、ガス同様慎重な取り扱いが求められます。電力会社にもガスの撤去の際と同様に、「解体工事のための撤去作業」と伝えることが大切です。電力会社に連絡する際は、メーター番号が必要となります。電気停止の際は依頼者の立ち合いが必要となります。余裕を持って電力会社へ撤去の連絡をしましょう。

解体工事前の水道の撤去の連絡について

解体工事の際、水道だけは工事中も塵やホコリが舞ってしまうのを抑えるために使用するため工事前の撤去の必要はありません。工事完了時に停止します。

 解体工事前の電話線の撤去の連絡について

固定電話を使用している場合、電話線の撤去が必要です。契約している電話の通信会社へ連絡する必要があります。ガスや電気ほどの重要度はありませんが、余裕を持って通信会社へ撤去の連絡をしましょう。

 解体工事前のインターネット回線の撤去の連絡について

インターネット回線は電線のように電柱を通って光ファイバーが引かれている場合が多く、インターネット回線の撤去をしないと感電や周辺住民に迷惑をかけてしまう恐れがあります。回線業者に切り離しの連絡をしましょう。

 解体工事前の浄化槽撤去の連絡について

浄化槽は、汲み取りをせずに解体工事してしまうと、汚水が地下に流れ出してしまう恐れがあります。浄化槽の清掃は専門業者へ依頼することがほとんどです。どこの業者へ連絡するのかわからない場合はお住まいの役所へ問い合わせると教えてもらえます。

ライフライン撤去の期間

解体する建物のガス、電気、電話、水道などライフラインの引き込み配管、配線の撤去について停止・解約を行います。ガスは配線を切り、電気、電話は電柱からの引き込み部分の取り外しを解体前に行います。水道は解体工事中に作業することがほとんどです。

どのライフラインも早めにライフライン会社への連絡が必要です。電気・水道に関しては特に時間がかかるため遅くても工事開始14日前までに連絡しなくてはなりません。ライフライン会社への連絡はすぐ終わりますが撤去出来るまでの期間を考えると2週間はみておいた方が良いと言えます。解体工事が決まったらすぐ連絡することを推奨します。

最後に

ライフラインの撤去は解体工事において安全性や効率性を確保するために不可欠な作業です。十分な計画と専門知識を持った業者によって行われることで、解体工事が円滑に進行し、周囲への影響を最小限に抑えることができます。

株式会社エコ・テックの解体工事について

株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。