目次:

アスベスト除去の許可について

1. アスベスト除去にはどんな書類が必要?

2. アスベストの事前調査は何日前までに実施が必要?

3. アスベストの除去は義務ですか?

4. アスベスト除去費用はいくらですか?

5. アスベスト調査を怠った場合の罰則は?

6. アスベストの事前調査が不要な築年数は?

7. まとめ

1. アスベスト除去にはどんな書類が必要?

大気汚染防止法及び各地方自治体の条例により異なりますが、大気汚染防止法及び各地方自治体の条例等によって、事前調査の結果、次のような届け出書類が必要になります。

・「石綿有無に係わる事前調査書」
・「特定粉じん排出作業の概要」
・「測定計画書」
・「詳細票」
・「標識及び完了報告書」

などが必要です。各地方自治体・担当窓口等の届出書類様式に基づき、届出書類を作成、届出をします。また、解体工事等の現場に事前調査結果及び工事のお知らせ標識の掲示を行い、工事完了後に完了報告を行うことになります。

事前調査に基づく届出様式例:
・特定粉じん排出等作業実施届出書
 (※特定建築材料に該当する排出作業の場合に作成します。)
・特定粉じん排出等作業の方法 
 (※特定建築材料に該当する排出作業の場合に作成します。)
・石綿使用の有無に係わる事前調査書面
 (受注者が発注者に書面で報告したことを証明する書面です。)
・特定粉じん排出等作業(石綿排出等)の概要 
 (※特定建築材料に該当する排出作業の場合に作成します。)
・大気中の石綿濃度測定計画
 (※特定建築材料に該当する排出作業の場合に作成します。)

※特定建築材料:吹き付け材、断熱材、保温材、耐火被覆材のうち、石綿を意図的に含有させたもの又は石綿が質量の0.1%を超えて含まれるもの。レベル1、レベル2及び吹付けられた石綿含有仕上塗材
参考:平成29年5月31日 環境省 水・大気環境局通達 石綿含有仕上塗材の除去等作業における石綿飛散防止対策について

現在、レベル3は届出の必要はありませんが(条例によっては届出等が必要です)、ニュースやメディア、新聞紙上などで報道がある通り、全て報告義務化に向かう法改正が予定されています。

・事前調査結果の詳細票
・標識 事前調査の結果の標識
・標識 建築物等の解体等の作業に関するお知らせ掲示
 (次の標識についての補足をご覧ください。)
・廃石綿等処理完了報告書
規模及び石綿の有無にかかわらず、すべての解体等工事で石綿アスベストの事前調査、調査結果の説明・掲示が必要です。
※解体等工事とは、建設物や工作物の解体、改修、補修作業を伴う建設工事のことです。

2. アスベストの事前調査は何日前までに実施が必要?

アスベストの事前調査は工事開始前に労働基準監督署への届出が必要で、作業開始日(作業区画の隔離、集じん・排気装置の設置、足場の設置などの石綿の飛散防止のための作業を含む、一連の作業の開始)の14日前までに行う必要があり、また届出日と作業開始日の間には14日間以上が必要です。(届出にあたり事前に相談可能な自治体もあります。)石綿(アスベスト)が含まれている保温材等の除去工事の計画は、吹き付け石綿の除去工事と同様14日前までに労働基準監督署に届け出る必要があります(令和3年(2021年)4月から)。

3. アスベストの除去は義務ですか?

 国土交通省のサイトにも記載がありますが、アスベストの除去は築物の最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図ることを目的として、吹付けアスベスト等の建築物への使用禁止及び増改築、大規模修繕・模様替の際に義務づけています。ただし、増改築、大規模修繕・模様替の際の既存部分は、封じ込め及び囲い込みの措置を許容しています。背景としては、吹付け石綿など石綿を飛散させる危険性があるものについては、建築物の利用者に健康被害を生ずるおそれがあるため、今後、石綿の飛散による健康被害が生じないように、建築物における石綿の使用に係る規制を導入することになっています。法改正の概要としては上述の石綿の飛散のおそれのある建築材料の使用を規制する(具体的には、吹付け石綿及び石綿含有吹付けロックウールが規制の対象)ことが目的で、【規制の効果】としては以下の4点あります。

・増改築時における除去等を義務づけ

・石綿の飛散のおそれのある場合に勧告・命令等を実施

・報告聴取・立入検査を実施

・定期報告制度による閲覧の実施

4. アスベスト除去費用はいくらですか?

解体する建物にアスベストが含まれていた場合、解体工事前にアスベスト除去工事を行う必要があります。国土交通省も目安を発表しており、除去費用は個別の条件によるものの、アスベスト処理面積が大きくなるにつれて1平方メートルあたりの単価が安価になっていきます。

アスベスト処理面積ごとの除去費用の目安:

300㎡以下           2.0万円/㎡ ~ 8.5万円/

300㎡~1,0001.5万円/㎡ ~ 4.5万円/

1,000㎡以上        1.0万円/㎡ ~ 3.0万円/

なお、アスベストの処理費用は状況により大幅な違いがります。(部屋の形状、天井高さ、固定機器の有無など、施工条件により、工事着工前準備作業・仮設などの程度が大きく異なり、処理費に大きな幅が発生します。)特にアスベスト処理面積300㎡以下の場合は、処理面積が小さいため、費用の幅が非常に大きくなります。また施工条件によっては、この値の幅を大幅に上回ったり、下回ったりする場合もあります。

5. アスベスト調査を怠った場合の罰則は?

法改正の度に変更される可能性がありますが、大気汚染防止法に基づき、事前調査や届出・作業基準などを遵守しなければなりませんが、仮に違反した場合は、36月以下の懲役または3050万円以下の罰金を課すという厳罰に処されます。なお、罰則は受注した業者だけではなく、お客様である発注者側にも適用される規則もありますので、注意が必要です。

6. アスベストの事前調査が不要な築年数は?

アスベストの使用・製造・輸入・譲渡・提供を全面禁止とした法律が施行されたのが2006年ですので、2006年以降に建てられた家には、アスベストが使われている心配はありません。その一方で2006年以前に建てられた建築物であれば、アスベストを含有した建材を使っている可能性があります。書面でも以下の3つの方法で調べることができます。

1・重要事項説明書でチェック

重要事項説明書は、物件の売買契約における重要な項目が記された書類であり、この書類の中には、アスベスト使用の記載や調査履歴の有無が記載されています。なお、重要事項説明書は、不動産会社に問い合わせることで確認ができます。

2・設計図書や仕様書をチェック

設計図書や仕様書を確認することで、建築時に使われた建材の商品名や品番からアスベスト含有かどうかを調べることができます。

ただし、中古マンションなどにおいて設計図書や仕様書を売主が紛失してしまっているケースが実際にあり、問題になることも少なくありません。

3・国土交通省・経済産業省のデータベースでチェック

国土交通省のホームページ内にありますが、「石綿(アスベスト)含有建材データベース」では、商品名などから、アスベスト含有建材かどうかを調べることができます。「建材名」「商品名」「製造時メーカー名」「現在メーカー名」「型番」「品版」のいずれかが分かれば簡単に検索が行えます。

7. まとめ

この記事ではアスベスト除去に関する手続きや必要書類について詳細に説明しました。アスベストの事前調査や届出は、大気汚染防止法及び地方自治体の条例に基づき、様々な書類が要求されます。

 

株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について

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